#1,スタートゲートとは|BMXレース練習用のランダムスタートゲートをつくりました

BMXレースの一人用スタートゲートを作りました

BMXレースの特徴的なセクションであり、レースで誰よりも前に出るためにとても重要だと言われているスタートゲートの一人練習用を作ってみました。

StartBMX,infoオリジナルスタートゲート

▽BMXレースのスタートゲートについて

BMXレースは1レースにつき最大8人が同時にコースを走り着順を競う競技です。
レースの要であるスタートには横に長い板状のゲートにタイヤを当てて8人が並びそのゲートが倒れるのにあわせて一斉にスタートがきられます。

photo by 春日部写真店 (Kasukabe Vision FILMz)

▽電子制御されたゲート

黎明期は手動で行われていたゲート作動ですが、電子制御によるシグナルとコールと連動したゲートとなり、2008年の北京オリンピックから正式種目となる前に国際ルールで現在の「ランダムゲート」と呼ばれる形に統一されました。

▽NBL方式、ABA方式からランダムゲートへの統一

かってBMXの本場アメリカにはNBL(National Bicycle League)とABA(American Bicycle Association)という二つの団体が存在していました。
NBLはUCI(国際自転車競技連合)の傘下で国際格式がありました。もうひとつのABAは独立した団体であったもののとても人気がある団体でした。
それぞれのレースでは異なるゲートコールの仕組みが採用されており、日本国内でもJBMXF傘下のレースはNBL方式、JOSFではABA方式といった具合で統一されていなかったため、「久しぶりにNBLでやったので失敗した」「ABAだったら完璧」といった得意不得意がライダーによってありました。
さらに現在は当たり前になった「ランダム」という概念はなく、コールとゲートの作動が固定のタイミングで行われていたため、コール中のあるタイミングで見込みでライダーがスタート動作を開始する「ロールバック」というという技術があったりしました。(厳密にはこれはフライング動作になるが、取り締まるすべがなかった)
しかし少しでもゲートの稼働に合わせてスタートしたいが故に、見込み動作が早すぎて、倒れる前のゲートに激突し、最悪転倒してしまう「ゲートアタック」が多く見られ、非常にリスクもありました。
2008年のオリンピックの正式種目に採用される数年前よりスタートゲートもランダムゲートという現在の形に国際的に統一されました。これによってコールとゲート動作の間にランダムな(一定間隔ではない)待機時間が入るようになったため、ライダーが見込みで動く方法が使えなくなり、ゲートアタックの悲劇も激減することとなりました。

▽ランダムゲートの流れ

ライダーの前方に設置されランダムゲートに連動して点灯するシグナル装置。photo by akabane vision films

ランダムゲートとは、ゲートの機械的な構造はそれまでのままに、
「OK RIDERS RANDOM START, RIDERS READY WATCH THE GATE」
というコールのあと0.1~2.7秒の完全にランダムな間が空き、「赤」「黄」「黄」「緑」の順番にシグナルとブザーが鳴ると同時に最後の緑と同時にゲートが倒れる仕組みとなっています。これはUCI(国際自転車競技連盟)のルールブックに細かくタイミングの仕様が定められています。

この仕様にあわせた一人用のゲートシステムが作れないか試行錯誤したのがこの話になります。